ティムールエネルギーはイクサランが発売した後もローテーション後を思わせない隆盛ぶりを誇っています。
ティムールはローテーションでどう変わったのか、アメリカ選手権終了までの進化を簡易にまとめてみようと思います。
(純正ティムールのみに焦点を当てています)

・ティムールエネルギーはローテーションで何を失ったのか。
ほとんどのカードがカラデシュブロックで完結しているため大きい変化をしていないように思えますが重要なカードを1枚失いました。
《不屈の追跡者/Tireless Tracker(SOI)》です。
《牙長獣の仔/Longtusk Cub(KLD)》、《逆毛ハイドラ/Bristling Hydra(KLD)》のみではお互いの《牙長獣の仔/Longtusk Cub(KLD)》、《逆毛ハイドラ/Bristling Hydra(KLD)》を超えられずビートダウンプランが消失しました。


・イクサランで何を得たか、どう変わったのか
残念ながら《不屈の追跡者/Tireless Tracker(SOI)》の抜けた穴を補える追加はありませんでした。
初期には《栄光をもたらすもの/Glorybringer(AKH)》に加え《新緑の機械巨人/Verdurous Gearhulk(KLD)》を採用したリストや《通電の喧嘩屋/Voltaic Brawler(KLD)》を採用した完全にビートダウンに寄せたリストも出てきましたが《残骸の漂着/Settle the Wreckage(XLN)》を得た青白《副陽の接近/Approach of the Second Sun(AKH)》、《スカラベの神/The Scarab God(HOU)》デッキを超えるまでにはいたりませんでした。
対赤単は大きな変更こそありませんでしたが依然として《熱烈の神ハゾレト/Hazoret the Fervent(AKH)》への対応は《慮外な押収/Confiscation Coup(KLD)》
のみとなってしまいました。
青白《副陽の接近/Approach of the Second Sun(AKH)》にはサイドボードを歪め大量のカウンターを追加することで対処しましたが赤単、《スカラベの神/The Scarab God(HOU)》デッキには明確な対処手段を見つけられないまま世界選手権を迎えます。

・世界選手権 PGOティムールエネルギーについて
世界選手権は革新的なティムールエネルギーを使用したウィリアムジェンセンの圧勝で幕を閉じました。
従来のティムールとの違いは2点。
メインの《本質の散乱/Essence Scatter(AKH)》、サイドボードの《奔流の機械巨人/Torrential Gearhulk(KLD)》の採用です。
《本質の散乱/Essence Scatter(AKH)》は《熱烈の神ハゾレト/Hazoret the Fervent(AKH)》、《スカラベの神/The Scarab God(HOU)》の環境基準ともいえる2神を問題なく対処できビートダウンプランが消失し完全なテンポの取り合いとなったミラーマッチに明確に差をつけるものでした。
《奔流の機械巨人/Torrential Gearhulk(KLD)》はミラーのサイドボート後《牙長獣の仔/Longtusk Cub(KLD)》をサイドアウトし《奔流の機械巨人/Torrential Gearhulk(KLD)》をインすることでゲームプランを一貫性のあるものへと変更できるようになっています。
対コントロール用ではサイドボードを歪めていた大量のカウンターを削りクロックとカウンターの両立が可能になっているまさに捜し求めた1枚です。

・世界選手権後のティムール
世界選手権後のティムールには3つの課題が浮かび上がってきました。
青黒コントロール対策 《暴れ回るフェロキドン/Rampaging Ferocidon(XLN)》 《奔流の機械巨人/Torrential Gearhulk(KLD)》ティムール対策
アメリカ選手権で見事TOP8入賞を果たしたゲリートンプソン、セスマンフィールドのリストからどのような対策を採っているか見ていきましょう。

青黒コントロール、《奔流の機械巨人/Torrential Gearhulk(KLD)》ティムール対策
ゲリートンプソンは《造命師の動物記/Lifecrafter’s Bestiary(AER)》を採用しロングゲームになる上記2デッキ対策をしています。
青黒コントロールはアーティファクトに触れる手段が無く攻める側に立たざるを得なくなりますがクリーチャーカウンターが4枚《慮外な押収/Confiscation Coup(KLD)》2枚がそれを許さないでしょう。
ミラーマッチでの活躍はテンポを損なう、《慮外な押収/Confiscation Coup(KLD)》で取られるのでやや疑問が残るものになりますが相手が構えているターンを狙えれば期待が持てるものになると思います。
セスマンフィールドは《殺戮の暴君/Carnage Tyrant(XLN)》を採用し相手の狙うゲームに付き合わないことを選択しました。《自然に仕える者、ニッサ/Nissa, Steward of Elements(AKH)》も青黒コントロールへは素晴らしいフィニッシュ手段なりますがミラーマッチは《造命師の動物記/Lifecrafter’s Bestiary(AER)》同様テンポを損なうカードになりえるので注意が必要です。
先手後手で入れるか抜くかが変わるカードなのは間違いないでしょう。
両名ともサイドボードに《多面相の侍臣/Vizier of Many Faces(AKH)》を2枚採用しておりミラーマッチ用のカードはこちらで《自然に仕える者、ニッサ/Nissa, Steward of Elements(AKH)》、《造命師の動物記/Lifecrafter’s Bestiary(AER)》は青黒コントロール、流行の兆しを見せているトークンデッキ用のサイドボードなのかもしれません。
(この項目に関しては検証中です。意見をいただけるとありがたいです。)


《暴れ回るフェロキドン/Rampaging Ferocidon(XLN)》対策
このカードが大量に採用され始め《霊気圏の収集艇/Aethersphere Harvester(AER)》の価値が大幅に落ちました。タフネスが3あるため《マグマのしぶき/Magma Spray(AKH)》で手軽に対処できず除去で1ターンかける可能性があるカードでしたがゲリートンプソンは3枚、セスマンフィールドは2枚の《チャンドラの敗北/Chandra’s Defeat(HOU)》を採用しガードの高さが伺えます。《本質の散乱/Essence Scatter(AKH)》、メイン2枚の《慮外な押収/Confiscation Coup(KLD)》で《熱烈の神ハゾレト/Hazoret the Fervent(AKH)》対策は厚くなりましたが根本のダメージレースは変わっていないので大幅にテンポを取れる《チャンドラの敗北/Chandra’s Defeat(HOU)》はベストな対策カードです。


以上がイクサラン発売からアメリカ選手権までのティムールの進化簡易まとめになります。
ミラーでメタが回り、周囲にも柔軟に対応できるティムールは今一番面白い時期だと思います。プロツアーではどのような変化が起きるのか今から楽しみで仕方が無いです。

各デッキへのサイドプランも暇があれば書こうかなと思います。

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